ブルガリア大統領選、ヨトバ氏が決選投票で優勢 調査機関が推計
投票所の標本に基づく集計で大統領代行がリード。対立候補のグロフ氏は目にした結果を受け入れた。公式集計はこれから発表される。

ブルガリアで1日に行われた大統領選の決選投票で、イリアナ・ヨトバ大統領代行がリードしている。国内の投票終了後に複数の調査機関が公表した推計で明らかになった。対立候補のアンドレイ・グロフ元暫定首相は、目にした結果を受け入れると述べた。中央選挙管理委員会による正式な開票結果はまだ発表されていない。
公共放送BNTによると、調査会社ミャラが投票所の標本を基に集計した結果、ヨトバ氏と副大統領候補キリル・バルチェフ氏の組は58.2%、グロフ氏とゲオルギ・カンデフ氏の組は38.6%だった。アルファ・リサーチの推計はそれぞれ57.4%と39.6%。いずれも独立した推計で、全票の公式集計ではない。
優勢が確定すれば、ヨトバ氏はブルガリアで選挙によって選ばれた初の女性大統領となる。前任のルメン・ラデフ氏が議会選への参加に向けて辞任した1月から、大統領代行を務めている。大統領の任期は5年。
正式結果を待つ選挙戦
当初の出口調査は、より接戦になるとの見方を示していた。ブルガリア国営ラジオによると、ミャラの最初の調査ではヨトバ氏が51%、グロフ氏が44.7%。アルファ・リサーチではそれぞれ52.5%と43.4%だった。両社の集計時点は異なる。
国内の投票は日曜夜に終了したが、在外有権者も投票できた。国営ラジオによると、米西海岸の最後の投票所はソフィア時間の月曜午前6時に閉まる予定だった。選挙当局が各投票所の記録を確認して発表する結果は、調査会社の数字と異なる可能性がある。
グロフ氏は記者団に、目にした結果を受け入れると述べ、共通の目標に向けた結束を呼びかけた。ヨトバ氏は有権者と政党「進歩的ブルガリア」、支援を受けたラデフ首相に謝意を示した。BNTによると、グロフ氏から祝福の電話があったとも語った。
10月25日の第1回投票での差は、これより小さかった。中央選管によると、ヨトバ・バルチェフ両氏が約34.76%、グロフ・カンデフ両氏が31.95%を獲得。投票率は約23%で、地元メディアと国際通信社によれば、共産主義体制崩壊後の大統領選では過去最低だった。
ウクライナと黒海の安全
ロシアによるウクライナ侵攻と地域への影響は選挙戦の主要な争点だった。ブルガリアは欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、黒海に面している。黒海では商船への無人機攻撃が相次ぎ、海上の安全に懸念が広がった。
ヨトバ氏は戦争の交渉による解決を主張し、ブルガリアによるウクライナへの追加軍事支援に反対してきた。ロシアとの関係改善も支持している。一方、改革派の野党に支援されたグロフ氏は、ウクライナへの一層強い支援と、NATO・EUの同盟国との緊密な連携を求めた。
ロイター通信によると、両候補は船舶への攻撃を非難した。決選投票前の討論では、グロフ氏が、ヨトバ氏がロシアの関与を明示していないと批判した。両氏の違いは紛争への対応を巡る国内論争を映しているが、大統領一人が政府の政策全体を決めるわけではない。
国家元首である大統領は、国を代表する職務や軍の最高司令官としての役割を担い、法律への拒否権などを持つ。立法や政権運営の決定は議会と政府にも委ねられている。直接選挙で選ばれる大統領は、全国に向けて発言できる政治的立場も持つ。
ラデフ政権との関係
ヨトバ氏はラデフ氏の下で2期にわたり副大統領を務めた後、大統領代行に就任した。元記者で元欧州議会議員。今回の選挙では、ラデフ氏が率い、4月の議会選で過半数を獲得した「進歩的ブルガリア」の支持を受けた。
経済学者で中央銀行の元副総裁でもあるグロフ氏は、4月の議会選前に暫定政権の首相を務めた。選挙戦では、政権側が支援する人物が大統領にとどまれば、政府への牽制が弱まると警告。支持者たちは、西側の同盟の中でブルガリアがより明確に発言するよう求めた。
最終結果が出た際には投票率も注目される。初期の推計は第1回投票よりやや高い投票率を示したが、有権者の相当数が投票しなかったこともうかがわせた。選挙当局は国内と国外の集計を終えた後、結果を正式に確定する。