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OpenAIの会議室に隠された録音装置 FBIがエンジニアを逮捕

幹部用会議室で録音装置が見つかり、会話の傍受をめぐってエンジニアが訴追された。OpenAIは、モデルや顧客データの不正な持ち出しを示す兆候はないとしている。

FBIは、サンフランシスコにあるOpenAIの会議室に録音装置を隠した疑いで、同社のエンジニアを逮捕した。人工知能(AI)の研究所が抱える具体的なリスクを浮き彫りにする事件だ。研究や開発、製品化の方針を話し合う場が盗み聞きされ得るなら、サーバーを守るだけでは情報保護は完結しない。

米司法省は13日、9日に逮捕したサウジアラビア国籍のAbdulrahman Alfozan容疑者(35)に対する訴追を発表した。同容疑者は13日に連邦裁判所に出廷し、引き続き身柄を拘束されている。カリフォルニア北部地区連邦検察は、身柄拘束に関する審理を19日に予定している。

OpenAIは装置を発見し、FBIに通報したうえで従業員を解雇したと認めた。同社は現時点で、モデルの重み、ソースコード、顧客データへの不正アクセスや持ち出しを示す兆候はないとしている。この説明は把握された被害の範囲を示すが、実際に何が録音されたのかという問題は残っている。

テレビの背面にあった録音装置

当局が公表した刑事告訴状の内容によると、装置は9月30日、幹部用会議室のテレビの背面にあるUSB端子に接続された状態で発見された。トイレットペーパーで隠され、保存された情報は暗号化されていた。捜査当局は、設置されたのが9月28日ごろだったとみている。

ロイター通信によると、装置は親指ほどの大きさで、マイクを備え、カメラにも接続できた。暗号化のため、保存内容にはアクセスできなかったという。装置の形状や置かれた場所は、今後の司法手続きで検討される証拠の一部となる。

検察は、建物内の別の部屋で、容疑者のかばんから似た装置がもう一つ見つかったとも説明している。かばんには財布や身分証明書が入っていた。当局はこの発見を、防犯カメラの映像や、業務支援ツールを使って部屋や会議について調べた記録と関連づけている。

これらは捜査当局の主張を支える材料だが、刑事責任は裁判で立証されなければならない。公表された訴追内容は、口頭の会話を傍受するために装置を使用した、または使用を試みたというものだ。スパイ行為の有罪判決でも、外国政府が情報を受け取ったという確認でもない。

OpenAIは何を説明しているか

OpenAIは、自社のAIモデルを使って装置を分析し、入手経路を調べ、同社の調査で設置したとされる従業員を特定したと説明した。機密性の高い場所にさらに装置を置こうとしていたことを示す材料もあったとしている。

ただし、公表された説明だけでは、自動分析が、防犯カメラ、記録、警備担当者の調査と比べてどれほど寄与したのかは分からない。AIだけで事件を解明したと描くのは、確認できる内容を超える。

AP通信は、OpenAIが今後もFBIの捜査に協力すると述べたことを伝えた。同時に、告訴状には、容疑者が傍受した可能性のある会話を何に使おうとしていたのか、詳しい説明がないと指摘した。その目的はなお重要な未解明の点である。

会話のプライバシーも法の保護を受ける

米連邦法は、通信を傍受すること、他者に開示すること、その内容を利用することを区別している。米国法典第18編第2511条は、一定の条件の下で、装置を意図的に使用して会話を傍受する行為を規定する。違法な傍受の訴追には、その後に秘密が売られたことの立証だけが必要なのではない。

法律上の口頭での通信の定義には、状況に照らして正当なプライバシーへの期待が含まれる。この点は、コンピューターのファイルがコピーされたと証明されていなくても、閉ざされた会議室での行為が捜査対象になる理由を理解する助けになる。

司法省のマニュアルは、行為が意図的だったことや、装置または通信を連邦の管轄に結びつける条件などを、犯罪の成立に必要な要素として挙げる。検察が該当する要件を立証し、弁護側が証拠を争うことになる。

検察によると、有罪となった場合には最高5年の禁錮と25万ドルの罰金、さらに監督付き釈放の対象となり得る。法定の上限は、実際の刑を予測するものではない。司法手続きが続く間も、Alfozan容疑者には無罪推定が適用される。

コードになる前にも、価値のある情報は存在する

完成した製品がまだなくても、会議では商業的に価値のある情報が共有され得る。研究方針、優先順位、提携先の候補は、モデル全体をダウンロードしなくても競合にとって重要になり得る。この事件は、物理的な警備と情報保護が交わる領域に焦点を当てる。

OpenAIは2023年に公表した先端AIのリスクに関する声明で、技術、知的財産、データを、技術面、管理面、組織面の対策で守ると説明していた。監査、侵入テスト、セキュリティーの点検も挙げていた。ただし、これらは事件前の取り組みの説明であり、今回どのように機能したかを独立に評価したものではない。

捜査は、各従業員に本当に必要なアクセス権は何か、機密性の高い会話をどう守るかという、業界全体の課題を示している。次の審理では容疑者の身柄拘束の扱いが検討される。録音の範囲や目的の解明には、なお続く捜査を進める必要がある。