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米FTCと20州、表示価格より高く請求した疑いでダラー・ゼネラルを提訴

棚の表示価格よりレジで高い金額を請求したとして当局が提訴。会社側は故意の顧客軽視を否定し、価格確認を強化したと説明する。

店の入り口の上に看板が見える、ケンタッキー州のダラー・ゼネラル店舗の外観。
2014年に撮影された米ケンタッキー州オーウェントンのダラー・ゼネラル店舗。資料写真。 © Nyttend / Wikimedia Commons

棚に表示された価格とレジで請求された金額が数セント違うだけなら、見過ごしてしまう買い物客もいるだろう。しかし、その差が数千の商品、数百万回の買い物に広がれば、問題は小さくない。米連邦取引委員会(FTC)と20州は10月26日、ディスカウント店大手のダラー・ゼネラルが、棚や値札、広告に示した価格より高い金額を繰り返し請求したとして提訴した。同社は顧客を意図的に軽視したとの見方を否定し、価格確認の体制を改善してきたと説明する。訴訟は始まったばかりで、主張の当否はまだ裁判所で判断されていない。

訴えが起こされたのは、同社の本拠地があるテネシー州の連邦地裁だ。FTCと州側は、価格の食い違いを防ぐ措置に加え、金銭的救済や適用法に基づく制裁を求めている。判決は出ておらず、顧客に返金される金額が決まったわけでもない。連邦当局と州政府が国内有数の小売チェーンを相手取った事件では、疑惑と確定した事実を分けて見る必要がある。

棚の値札とレジの金額

訴状が描くのは、買い物客が表示価格を見て商品を選び、会計後にレシートを確かめて初めて高い金額を請求されたと気づく、という経過だ。FTCは、当局の検査や消費者からの苦情があった後も、こうした事例が長年続いたと主張する。訴状によれば、ダラー・ゼネラルが2023年1月から2026年3月までに受け取った「表示価格が守られなかった」と分類される苦情は少なくとも2万9265件に上る。苦情は、同社が店舗を展開する48州すべてから寄せられた。ただし、これは会社が記録した苦情の件数であり、影響を受けた取引の総数を示すものではない。

FTCはまた、2019年から2026年にかけて、同社が価格表示の問題をめぐり6州の当局と計7件の和解を結び、罰金などが計600万ドルを超えたとしている。今回の訴状はその経緯を挙げ、会社は問題が繰り返されていることを認識していたはずだと論じる。同社は自らの対応についてのFTCの評価に反論し、消費者の損失を算出した方法にも異議を唱えている。

訴状に引用された2025年10月の検査では、アーカンソー州ストロングの店舗で調べた50商品のうち11商品に価格の食い違いがあり、8商品では表示価格を上回る請求があった。ケンタッキー州グラスゴーの店舗では、2023年4月に調べた50商品のうち20商品で誤りが見つかり、いずれも過剰請求だった。いずれも個別店舗の検査結果であり、全店舗の実態を示す統計ではない。裁判での意味は、証拠全体と会社側の反論を踏まえて判断される。

ダラー・ゼネラルは食品や日用品などを扱う2万1000店以上を運営する。店舗数が多いだけに、少額の差でも全国的な問題となり得る。訴状によると、店舗の約80%は人口2万人以下の地域にある。家計に余裕のない世帯にとって、表示価格は単なる案内ではない。商品を買うかどうか、会計時に支払えるかどうかを判断する基準になる。

会社はどう答えたか

ダラー・ゼネラルは提訴当日に声明を出し、棚とレジの価格を完全に一致させることを目標としており、差が見つかった場合は従業員が訂正するよう指導していると説明した。時折ミスが起こり得ることは認めつつ、手頃な価格で商品を提供するという使命を捨てたり、顧客を意図的に軽視したりしたことはないと主張する。価格の確認手順も強化したという。

同社によれば、2026年2月から調査に協力し、20万点以上の文書と350ギガバイトの情報を提出した。提訴前には解決に向けた交渉も試みたが、当局が求める金額は確認された価格差に見合わないと判断したという。FTCの法律解釈を法廷で争う一方、今後の協議の余地は残している。

当局と会社側は、必要な救済の範囲についても見解が異なる。FTCは価格の不一致が繰り返される構造的な問題だったと訴え、会社は小売業務上の誤りであり、改善策が十分に考慮されていないと反論する。どちらの説明が妥当かは、証拠を審理する裁判所が判断する。

買い物客への影響

争点は、実際に何人の顧客が、どの程度多く支払ったのかという点にも及ぶ。裁判所は店舗検査、社内記録、苦情、損失の推計方法を検討しなければならない。苦情が多数あるからといって、同社でのすべての買い物に誤った価格が適用されたわけではない。一方、確認された食い違いの調査が不要になるわけでもない。

日常の買い物では、レシートを棚の値札と照らし合わせれば、その場で誤りに気づける場合がある。差があれば店舗に訂正を求め、レシートを保管しておくことができる。ただし、今回の提訴によって返金制度が設けられたわけではなく、購入者に自動的な支払いが約束されたわけでもない。救済の有無や方法は、今後の裁判または和解次第となる。

生活必需品の価格が米国家計の重荷となるなか、節約を掲げる小売店には、客が表示価格を信頼できることが欠かせない。指摘された不一致が巨大な店舗網で生じた散発的なミスなのか、連邦法や州法に違反するほど広がった慣行なのか。訴訟はその判断に向けて進む。現時点ではFTCが問題を具体的に提示し、ダラー・ゼネラルが争う姿勢を示している。